その先の人々

2025.03.18

PEI COFFEE

谷口慎平さん・久美子さん

しごと

2020年4月に韮崎市中央町の商店街にオープンしたコーヒースタンド『PEI COFFEE』。移住を考え始めた時には韮崎という地名も知らなかったという谷口さんご夫婦。いろいろな人との出会いから韮崎を知り、自分たちが思う「ちょうど良い暮らし」を発見して、実際に韮崎市に移住をしてお店を始めることになりました。

2019年12月、韮崎市に移住をした『PEI COFFEE』の谷口慎平さんと久美子さん。おふたりは兵庫県と千葉県の出身で、上京して働いていた東京・南青山の老舗ジャズクラブ『ブルーノート東京』で出会いました。そこでホールスタッフとして働き、慎平さんはラテアートにハマったことをきっかけにコーヒーの奥深さを知ったそうです。数年ブルーノートで働いた後、これからの自分たちの生活を見据え、結婚もして住む場所を変えてみようとおふたりは考えました。

カウンターでお客さんと談笑をしながら接客するのが楽しいと語る慎平さん。

「ぼくの兄が北杜市の明野というところで、4年ほど前に家族で移住していて野菜をつくっていたんです。それでぼくらもよく山梨に遊びに来ていて、四方が山に囲まれて自然豊かなところで暮らせたらと思って、北杜市でいくつか物件や土地を見に行ったりしていました。でもなかなか見つからず、東京有楽町の交通会館にある『ふるさと回帰支援センター』に相談にいったら『韮崎市もいいところですよ』と勧められたんです。韮崎という街があることをその時初めて知りました。そんな韮崎に引っ越すことになったのは、偶然や人の紹介が重なったから。気になってすぐに3日間ほど韮崎市のお試し住宅に滞在してみました。そしたら、この街の暮らしやすさと窓から見える富士山の美しさに感動してしまって。ニコリの移住相談員の方も熱心にサポートをしてくれたし、地域の方もたくさん紹介してくれて、だんだんと韮崎のことを知ることができました。そして、このお試し滞在中に韮崎に住もうと心に決め、3か月後の12月末には韮崎に移住してきました」

煎りの豆のコーヒーは苦すぎず飲みやすい絶妙な味わいに。

お兄さんの畑で採れた野菜が並ぶコーナー。ピクルスなどの加工品もあります。

実際に韮崎を知っている人、住んでいる人たちの気持ちが谷口さんたちの移住を後押ししたようです。ふたりは定住促進住宅に引っ越し、次はコーヒースタンドを開業しようと店舗探しを始めます。そこでも人の繋がりがとても大きかったのだといいます。

「いまの店舗に出会ったのは、空き店舗見学会というイベントがあって、その時は中に入ることができなかったのですが、その店舗が気になっていたら以前知り合った地域の方が大家さんと繋いでくれて。広さもちょうどよく、駅からも近くて、自分たちが思う条件とぴったりとあい『ここにしよう!』とすぐに妻と話して決めました」

最初は数か月かけて不動産屋を巡りながら物件を探していく予定でしたが、間に入ってくれる地元の人がいたことでスムーズに物件が見つかりました。大家さんも大のコーヒー好きだったので話もはずみ、もともとお店だった場所なので、机や椅子も以前使っていたものを見せてくれたり、店舗の改装中もなんども顔を出してくれたりと、その心遣いがとても嬉しかったそう。お店を始めるふたりにとってはとても安心できるスタートになりました。

人気のプリンは久美子さんが以前勤めていたパティスリーで覚えたレシピを韮崎で再現しました。

通っていると、お店に添えられている花がいつも変わってることに気づくはず。

店舗の改装は、同じ商店街の並びにある『アメリカヤ』のリノベーションも手がけたIROHA CRAFTが手がけました。新規起業準備補助金や空き事業所賃貸借料補助金という制度が韮崎市であったので、その制度のことを教えてもらったり、いろいろな相談にのってくれたそうです。

「イロハクラフトさんが改装の部分もそうなんですが、新規開店に役立つ韮崎の補助の制度のところも教えてくれました。もともと自分でも調べてはいたんですが開店準備の忙しい最中だったので、申込みの仕方や期日も教えてくれたり、市役所に何度も通ってくれたりと、とても助けられました。正直自分たちのように個人でお店をやるにはとても助かる制度でした。本当に韮崎にいる多くの人に助けられたんだと実感しています。そうでなければ、こんなにスピーディーにお店は始められなかったでしょう。このスピード感は、周りでもとても驚かれています」

お客さんと話すのが楽しいと語る谷口さんご夫婦。

韮崎に移住してお店を開店するまで約4か月。トントン拍子に進んでいったのは、周りの人のおかげ、そして韮崎の“人の良さ”にあると久美子さんは言います。

「韮崎だったからこそこんなにスムーズに移住、開業できたと思っています。開店する前に面倒を見てくれた方が『ランチの需要はあるからやった方がいい』とアドバイスをくれたり、朝の営業について一緒になって考えてくれたり、試作品を食べてもらったり。開店してからもご近所の方がたくさん来てくれました。大家さんもお友だちを連れてきてくれたり、ワッフルサンドを気に入って毎回注文してくれる方もいて。お店をやる目標として、地元の人の生活の一部になれるコーヒースタンドというのを目指していたので、それが最初から地元の方がたくさん来てくれる状況というのがとても励みになりました」

店内で使っている椅子や机の土台などは、以前大家さんがお店で使っていたものを再利用。

最後に谷口さんご夫婦に韮崎に住んでみた感想を聞いてみると『ちょうどいい』という言葉がでてきました。

「田舎すぎない、都会すぎない、暮らしてみて不便もない『ちょうど良さ』が韮崎にはあると思いました。田舎への憧れはあるけど、暮らしにそこまで不便しないということもぼくらにとっては重要で。韮崎だったら車を走らせればどこに行っても景色はいいし、自然の多いところにもすぐに行けますし。まだまだ韮崎や山梨のことで知らないことも多いはずなので、いろいろな人との繋がりを大事にしてこれからここで過ごす日々がたのしみです」

PEI COFFEE

PEI COFFEE
山梨県韮崎市中央町10-24
8:00〜17:00 木曜定休(不定休あり)